コソボ!仮想通貨マイニング禁止でマイニング用機材の売り騒動が多発

コソボマイニング禁止

エネルギー不足が続くコソボで、電力を大量に消費する仮想通貨のマイニングが禁止された結果、インターネット上にマイニング機器を売却しようとするコソボの人々の投稿が多発しています。

コソボ|仮想通貨マイニングに適している

ヨーロッパで最も貧しい国の1つであるコソボは、国内で豊富に採取できる褐炭(かったん)、つまり低品位な石炭による発電で国内のエネルギー生産の90%をまかなっており、政府が燃料費を補助していることもあって、ヨーロッパで最もエネルギーの価格が安い地域です。

そのため、同国ではマイニングを行う人が近年急増していました。

そんな仮想通貨のマイニングに適しているコソボでマイニング用機材の売却が多発しているのか?

停電や電力不足が原因でマイニング禁止

ヨーロッパでの天然ガス不足に伴う燃料費の高騰や国内最大の火力発電所の故障により、コソボでは停電や電力不足が相次いで発生するようになりました。

これを受けて、コソボ政府は2021年末に仮想通貨のマイニングを禁止することを発表しました。

2021年12月には、コソボ政府が60日間の非常事態を宣言して政府資金を優先的にエネルギーの輸入に割り当てるほか、2時間ごとの停電といった措置も導入されました。

その結果、仮想通貨マイニングに適していても、禁止されている以上手元にマイニング用機器があっても意味がないので、売却しようとするコソボ人が多発しているのです。

コソボでマイニング禁止により影響が出ている

コソボは、政府や警察による仮想通貨マイニングの取り締まりにより、同国内でマイニングをしていた人は大きな影響を受けています。

イギリスの一般紙・The Guardianによると、FacebookやTelegramなどのSNSにあるコソボの仮想通貨コミュニティは、マイニング機器を売りたいというコソボ人の書き込みで埋め尽くされているみたいです。

また、月額約170ユーロ(約2万2000円)の電気料金を支払って40個のGPUを使ってマイニングして、月間の収益は約2400ユーロ(約31万4000円)に上るコソボ人や、仮想通貨マイニングで平均月収の約5倍を稼いでいるコソボ人もいました。

コソボの経済大臣は当然の措置と言っている

コソボの経済大臣であるArtane Rizvanolli氏は、「マイニング禁止は当然の措置です。エネルギー補助のために、政府は2000万ユーロ(約26億円)の予算措置を行いましたが、これでもまだ不十分でしょう。このお金は納税者が収めた税金であり、国民の電力を補助するためのものです。一方、仮想通貨のマイニングは非常に多くのエネルギーを消費する活動であり、これに対して何の規制もありませんでした」とコメントしていました。

マイニング禁止はコソボだけではない

仮想通貨のマイニングの禁止を打ち出した国はコソボだけではありません。

中国の中央銀行である『中国人民銀行』はR3年9月に、仮想通貨を完全に違法化することを発表しました。

また、電力需要が増加する夏季の電力確保のため『イラン』政府がR3年5月から9月までマイニングを規制することを発表しました。

中国の後を継ぐ次期マイニング大国と目されている『カザフスタン』でも、深刻化する電力不足を背景に非公認マイニング業者の締め付けが強化されるなど、電力不足を理由にマイニングが禁止される事例が増えています。

マイニングは消費電力が激しい

仮想通貨マイニングは環境によくないと言われている?!

上記で説明した、仮想通貨マイニングが禁止されている理由は電力不足ですが、過疎通貨は環境に悪いという指摘もされています。

マイニングの消費電力は全世界の0.57%

仮想通貨を効率的にマイニングするには大量のコンピューターと膨大な電力が必要であり、R3年2月にケンブリッジ大学が公開した「ビットコイン電力消費指数(CBECI)」によると、ビットコインのマイニングによる消費電力は全世界の総消費電力の0.57%を占めています。

これは、オランダやアラブ首長国連邦の年間総消費電力を上回っていることになります。

こうした事情を背景に、マイニング業者はより電力価格の安い国や地域に拠点を構えたり、環境問題への批判をかわすためにクリーンな電力を求めて原子力発電企業と提携したりしています。

電力不足は発電設備が原因

ところが、マイニングがあまりにも大量の電力を消費してしまうことにより、発電設備が十分に整備されていない地域で電力不足が発生するケースも指摘されています。

マイニング禁止を非難する声もある

コソボ政府のマイニング禁止令に対しては、コソボ国内の専門家から「法的な根拠がない」と非難する声も上がっています。

また、政治学者のKreshnik Gashi氏は政府のマイニング禁止令について、「これは合法ではありません!政府は法律で適切に定義または規制されていない活動を禁止することはできません。法律が必要です」とコメントしております。