マイニング禁止の中国で、ビデオカード市場は修羅場?!

マイニング禁止の中国でビデオカードが高騰している

2021年5月18日、「中国インターネット金融協会」「中国銀行業協会」「中国決済清算協会」という3つの権威ある組織が共同で、金融機関や決済会社に対して仮想通貨取引業務を止めるよう声明を発表した。

中国の閉鎖されたマイニング工場が見せしめとばかりに報じられ、一旦はマイニング活動に終止符が打たれたはずだった。

これにより、ビデオカードの価格は落ち着くだろうという声もあったが、現在、中国ではマイニング特需によりビデオカードの価格が上がっている。

規制してもマイニングは行われている

2021年9月、10月には中央政府がマイニングは違法行為だとする通知を続けて発表し、さらに引き締めを強化しましただ、それを無視するかように9月以降、再び中国でマイニング活動が行なわれ始めました。

マイニング関連のニュースがメディアで掲載

また、中国でのマイニングは禁止されているはずなのに、中国語でのマイニング関連のテックニュースはさまざまなメディアで掲載されています。

それはかつて44号文書と呼ばれる中国国内での外国のテレビゲームの販売禁止ルールがあり、ゲームは売れないはずなのに、日本などの最新ゲーム情報をまとめた雑誌が販売されていた光景と 似ています。

仮想通貨のマイニングを処分!

2021年5月には広東省政府(省発展改革委員会)が、仮想通貨のマイニングマシンを処分する通達を発表しました。

ですが、「上に政策あり、下に対策あり」が続いた中国だからこそ、簡単には収束せず、ビデオカードの値段も高騰し続けています。

分散型ゲームアプリSTEPN(ステップン)は規制に準ずる

「Move to Earn」分散型ゲームアプリSTEPN(ステップン)は2022年5月27日、中国でサービス提供を中止する予定を発表しました。

また、STEPNは声明で、「STEPNは設立以来、中国本土でいかなる事業も行っておらず、ダウンロードも提供していない。常にコンプライアンス義務を重視し、現地の規制当局の要件を厳格に遵守している」と述べている。

コソボマイニング禁止

マイニング禁止により中古カードを売る策略が展開

当局の締めつけによって一旦はマイニングの動きが消えていきました。

そうするとビデオカードが無用の長物となるので市場に流れるようになります。

マイナーは効率よく確実にマイニングしたいので、大手メーカーの定番ビデオカードを導入していました。

IT系メディアが1年以内の故障率80%と報道

これを大量に手放すことになるわけだが、これらのカードはマイニングで酷使されていたために、1年以内の故障率が80%との報道も見られた。

中国のIT系メディアで報じられているため、ITリテラシーの高い自作PCユーザーがこうした中古カードをわざわざ買うわけもなく、使い込まれたビデオカードを処分したい販売者側と問題ないビデオカードを買いたい消費者とのとんち比べとなった。

6月に中国二大ECセールの「618セール」が開催

中国二大ECセールの1つで、「618セール」が2021年6月18日に開催された。

2021年6月18日は中国大手ECサービスの「京東(ジンドン、JD.com)」の創立記念日であり、京東がセールをするのはもちろん、ライバルのアリババや他のECサイトも便乗して、大きな盛り上がりを見せました。

ネットの不買運動が行われた

この日を商機とばかりにマイニング業者が大量に中古品を出品するも、ネットユーザーはこれまでビデオカードが買えなかった恨みとばかりに一丸となって、日本でいうところのネットの“祭り”状態で不買運動が広がった。

広告枠に出品されたビデオカードをクリックし、購入はするが支払わない、届いても受け取らず送り返すといった戦術でマイニング業者を困らせようという動きが行なわれた。

業者側も不買運動に対抗

ならばと業者側も考えたのか、ECサイトの淘宝(Taobao)、フリマサイトの閑魚といった手軽に出品できる場所で、謎のインディーズブランドのビデオカードが大量に登場した。

たとえば、ECSは中国語で「精英」というブランド名なのだが、それに似た「精影」というブランドを作って、それっぽいメーカー公式ショップを立ち上げる業者が登場。

ほかにも「華碩(ASUS)」に似た「和碩」をはじめ、怪しいブランドのビデオカードが続々と出てきたのである。

また新たにパッケージングして未使用新品として売る業者も登場した。

中国では昔から「安すぎる価格の場合は地雷製品の可能性がある」と言われています。

オトクすぎる場合は怪しいと疑うべきだ。

たとえば、透明パッケージでカードが見えるなら黄ばんでいたり、油が付着していたりしていないかなどの使い込んだ形跡がないか、製造時期がわかる番号がボードに記されていれば、それを元に生産時期をチェックすべきだといった情報が出ている。

ですので、聞いたことのない中国ブランドの格安ビデオカードはかなり使い込まれている可能性があり、人柱としてネタで買うにはコストがかかり、おすすめしません。