海外で人気のNFTアート。
日本でも少しずつ浸透してきていますが、ごく一部の人たちにしか知られていません。
海外ではいま、日本の漫画・アニメ文化などにインスパイアされたものがブレイクしているといわれています。
もくじ ~ page contents ~
日本企業のビジネス参入ポイント
現在、世界ではアニメ、漫画、ゲーム、ファッション、音楽などの東京カルチャーに影響を受けた海外 NFTプロジェクトが次々と大成功を収めています。
日本企業のNFTアートへの参入が少ない要因
一方で、日本ではまだまだNFTアートの目立ったプロジェクトが見当たりません。
日本企業の参入も、まだ本格的なものではない。
その理由とは大きくは2つの要因が考えられます。
- 日本人NFTコレクターが少ない
- NFTに対する企業法務とポリシーの未整備
OpenSeaにおける日本の月間NFTトレーダー数はざっくりと約2万人程度です。
つまり国内市場での事業が主体の日本企業にとって現状、参入するには国内マーケットが少なすぎるのです。
また、全世界でも月間のトレーダー数が40〜50万人程度の超ニッチマーケットです。
リスクを負ってまで参入する経済規模ではないという判断になっているのだと思われます。
また、法務面も未整備で、既存の顧客に対して受け入れられるのかどうかなど、不安定な要素が多く、参入に踏み込めていません。
日本企業がNFTアートに参入するポイントは海外から日本へのアプローチ
日本企業がこれから参入する場合、必要なことは 『日本から世界へ』というメッセージを耳にしますが、逆のアプローチを持つことが大事であります。
海外から日本へ事業を呼び込むことや、コラボレーションすることを仕掛けていくことです。
長らく日本はものづくりが強みでしたが、これからの日本の強みはブランディングのポジションを確立することなのではないかと思うのです。
日本企業の多くは図らずともグローバルビジネスのポテンシャルを保有しています。
世界的なSNSや動画プラットフォームによって、海外からもほぼ同タイミングでコンテンツや商品を消費されており、海外進出というような事業拠点を持たずともグローバルでファンを獲得しています。
そして、起業家やブランドのファウンダーの中にもそうした熱烈な東京カルチャーファンが存在します。
これらを前提に、彼らのビジネスのブランドを強固にするための協業コラボレーションという形でサポートすることが最も重要になってきます。
日本企業のNFTアートの3つの活用例
日本企業ではNFTアートを事業に取り入れることは具体的に想像しにくいものですが、3つの活用例が存在します。
①高級ワイン予約券のNFT化
高級ワインのロマネコンティというブルゴーニュの最高峰ワインは、ぶどうの収穫状況からボトリングできる量や味が決まります。1
961年、2020年など予約券をNFTにして販売しておけば、コレクターはワイナリーで最高の保存状態のものを送ってもらい、転売したければマーケットプレイスにオークション出品できます。
②コンサートチケットのNFT化
コンサートチケットもNFTにすれば、様々なサービスキャンペーンと連動させたり、転売しても運営サイドがインセンティブを受け取れたりします。
③地方創生プロジェクトとNFTのコラボ
クリエーターファーストの観点から、地方創生プロジェクトとNFTの親和性は非常に高いことが実証されています。
生産量の少ない作り手の商品購入予約券をNFTにしておけば、ダイレクトに欲しい人に届けられます。
ふるさと納税のような構築済みのプラットフォームでもデータのNFT化は可能になるでしょう。
NFTアートの今後の展望
NFTアートは、まだ一部の層で楽しまれ、取引されているに留まりますが、近い将来、日本でも普及が進むと同時に多ジャンルで企業参入も期待できます。
また、すべての物の価値と同様に、NFTも需要と供給で価格が決定します。
また、NFTはすべてデータで作られるので、フィジカルの商品とは違い、製造コストは低く抑えられる上にパッケージや輸送費などもほぼかかりません。
ジェネラティブNFT(プログラムで表現した模様や物体を作品に取り入れるもの)は、安い価格設定で多くの枚数が売り出される傾向にあります。
NFTを投資目的でやることが重要な要素
また現状NFTを購入される方は、投資的な思考が強いように見えますが、これ自体はNFTにとって、とても重要な要素です。
ブロックチェーンに刻まれたデータは半永久的にネットワーク上に保管されています。
当然、将来の物価は今より高くなっているので、資産としての価値も増えることになるでしょう。
世界の金融資産の流通量バランスの暗号資産が今より確実に増えていくか、NFT購入を円やドルで簡単に決済できる仕組み作りにより、一般消費者へ普及させれば、今後もNFT市場は拡大するでしょう。