マイナー流入で電力不足に、カザフスタンで発電所が緊急停止

マイニングは消費電力が激しい

中国が今年はじめにマイニング業者を取り締まりはじめ、仮想通貨(暗号資産)の取引も禁止したことを受けて、電気料金が比較的安価なカザフスタンには大勢の業者が流入しています。

そのせいもあり、カザフスタンの電力需要は2021年の初頭から約8%も増加、10月には電力需給のバランスが崩れて不安定になったことで、3つの発電所が緊急停止しました。

そもそもなぜ仮想通貨(暗号資産)のマイニングをするだげで、発電所が緊急停止するのか?!と疑問に思われますよね。

マイニングは電力消費がすごい!

マイナー流入が普及すると、それだけコンピューターの数も増え、消費電力が増えます。

通常、マイニングに参加するとなった場合、マイニング用の高性能なマシンを購入し、ブロックチェーンに繋ぐための難しいプログラムを設定する必要があります。

しかも、そのマシンは24時間稼働させる必要があり、そのコンピュータを冷やすための電気代がかかります。

マシンは消耗品ですので、問題なく稼働する期間がどれくらいあるのかも分かりません。

ですので、中国からマイナー流入が増えたことによって、必然的に消費電力が大きく増え、結果的に3つの発電所が緊急停止することになったのです。

マイニング投資など詳しく知りたい方は下記を参照してください。

⇨『マイニング投資のメリット|暗号資産を堅実に稼げる方法?

マイニングとは?

まず簡単にマイニングについて触れておきます。

マイニングとは、「採掘」であり、実際に行うのは、ビットコイン(BTC)やビットコインボルト(BTCV)など仮想通貨の「取引記録の演算と承認作業」です。

仮想通貨は、法定通貨と違い、非中央集権の仕組みから成り立っています。

「ブロックチェーン」も、非中央集権であるからこそ、取引のデータや、取引データの整合性を記録しています。

仮想通貨のマイニングの仕組みにおいて、「マイナー」という存在は非常に重要になります。

仮想通貨の取引は、非中央集権であり、「ブロックチェーン」において記録がされていきます。

そして、マイニングとは「取引記録の演算と承認作業」であり、実際に行うのが「マイナー」と呼ばれています。
「マイニング」という言葉から、それを行うのが「マイナー」であるという非常に分かりやすい仕組みです。

その「マイナー」が、実際に行うのが、仮想通貨のマイニングであり、「ブロックチェーン」の仕組みを成り立たせるために必ず必要な存在となります。

「マイナー」は、仮想通貨のマイニングにおいて、取引記録を記載して行き、確認作業を行います。

未登録のグレーなマイニング業者が原因?!

Finantial Timesによると、カザフスタン当局は緊急停止発生後、電力部族の問題は未登録の「グレーなマイニング業者」に起因するとしました。

そして、地元の電力会社KEGOCは正式に登録している50の採掘業者への電力割り当てを再開しています。

ただし、これらの業者への送電はマイナー流入がさらに増え続ければ、再び受給が不安定になった場合真っ先にストップされるとのことです。

試算によれば、中国から少なくとも87849もの『パワーにものを言わせるタイプの』マイニング用機器が中国からカザフスタンへ流入しているとのことです。

2500のマイニングマシンを移転する決定!

R3年11月29日に、マイニング業者Xive.ioの共同創設者は、カザフスタン南部の都市タラスでの操業中に停電が発生したことから、2500台のマイニングマシンをたたんで少しでも安定した電力が得られるところへ移転すると述べました。

南部は 北部に比べて電力供給が脆弱なため、Xive.ioは他の南部の鉱山労働者も同様の危機に直面していると述べています。

専門家は、カザフスタンの未登録業者による電力消費が1200MWにものぼると推定しています。

カザフスタン、ロシアに電力融通を依頼

カザフスタンは、急増する需要への対応策としてロシアのエネルギー会社に電力融通を依頼しました。

2022年からは登録済みのマイナーたちに電力補償料を課すことにしています。

しかし、いずれの取り組みも即効性はないため、マイニング企業は当面逼迫した電力供給のもとで運用規模の縮小や移転での対応を余儀なくされているとのことです。

なお、マイニング業者が集結しているのはカザフスタンだけに限りません。

たとえばイランででも正式に認可されたマイナーでない非正規の業者が集まったために停電が発生したため、5月から4か月間、暗号通貨採掘を禁止しました。

一方、米国のテキサスも電力料金が安価なためにマイナーが集結しており、The Vergeは専門家の予想としてその電力需要が5000MWを超えるとの見方も示しました。

テキサスでは今年すでに大規模な停電も発生していることから、懸念の声も上がっている模様です。

仮装通貨(暗号資産)の発展や普及が遅れている国でマイナー流入が流行れば、このような電力停止の発生がまだまだ起きる可能性がありそうですね。